東京モーターショー2019に、日本IBMが出展

Takumi Kurosawa
5 min readOct 31, 2019

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「なぜ、IBMが出展しているんですか?」
「IBMしか出展していないんですね」
東京モーターショー2019の日本IBMブースを見て、来場者の皆様が仰るコメントは、上のいずれかです。(正直に述べると「なぜ〜」のほうが、圧倒的に多いのですが)

東京モーターショー2019の日本IBMブースの様子

ただ、海外のモーターショーでは、ITベンダーの出展は当たり前であり、例えば、今年のフランクフルト・モーターショーには、IBM以外に、DELLやSAPなども出展していました。

クルマにおいて、ソフトウェアが占める役割が増していく傾向からも、「つながるクルマ」の先にあるべきサービスやソリューションの提案を行う観点からも、ITベンダーが果たせる役割はあるはずなのです。

後日、東京モーターショー2019の振り返りがなされる時に、「IBMしか〜」と語られるように、残された会期を国内ITベンダー代表のつもりで頑張りたいと思います。(実は、東京モーターショーへのITベンダーの出展は、今回の日本IBMが初めてのはずなのです)

では、その日本IBMブースは何を出展しているのか。

日本IBMブースでは、ビジネス・セッション、ビデオ・シアター、配布資料などを通じて、多様な内容を訴求しています。ただ、ブースとしての根幹は「Automotive 2030」となります。

「Automotive 2030」は、2020、2025と、5年刻みで全世界の自動車産業の経営層を対象に実施してきた調査の最新版です。

移動手段としてのクルマを、「サービス」として利用するMaaS(Mobility as a Service:サービスとしてのモビリティー)の時代には、クルマのブランド価値は「走行性能」から「デジタル体験」へと進化すると考えられています。そして、「Automotive 2030」によると、このような状況を念頭に、自動車産業の経営層の半数は、今後、自社が成功を収めるために(もしくは生き残るために)、企業としての自社のあり方をデジタル変革によって再定義する必要があると回答しています。

調査結果を踏まえたIBMからの提言は、以下の5つです。

日本IBMブースでは、自動車産業におけるデジタル変革をご支援するために、これら5つの提言を実現するためのソリューションを紹介しています。

そして、コンセプト・カーという形で描かれた少し先の未来ではなく、「つながるクルマ」が今日現在できることについて、ヨーロッパにおけるMaaSの最新事例なども紹介しているのです。

日本IBMブースの代表的な展示内容として、当記事では、ドライバーの安心と安全を実現し、交通事故を防ぐことに寄与できるIBMのMaaSソリューションを紹介します。

それは、「つながるクルマ」を実現するIoT基盤である『IBM IoT Connected Vehicle Insights(以下、略称のCVIで記述)』です。

CVIは、 大量の車両の走行状況をリアルタイムに監視・分析できるIoT基盤であり、 車両や交通システムから取得できる情報を取り込むことで、道路やその周辺環境の最新の状況を把握できます。さらに、車載センサーやドライバーが携帯しているスマートフォンの加速度センサーの情報と、走行経路や位置情報を分析することで、ドライバーの運転のふるまいを把握できます。そして、その結果、普段とは異なるドライバーの運転のふるまいを、リアルタイムに検出できるようになります。

「普段とは異なるドライバーの運転のふるまい」を検出および把握できた時点で、何らかの注意喚起が行えれば交通事故を未然に防ぎ、ドライバーの安全を実現できます。

こうして文章で書き連ねるよりも、具体的なサンプル・アプリケーションの映像などをご覧いただくほうがご理解いただきやすいと思います。

以下の映像は、土曜日、日曜日、祝日に、日本IBMブースのビデオシアター・セッションで上映しているものです。したがって、既に東京モーターショーにご来場くださった方や、残りの会期にご来場いただく機会のない方は、当然ながら現地でご覧いただくことはできませんので、当記事にて視聴ください。(残りの会期中にご来場予定がある方も、もちろん、視聴ください)

ドライバーの安心と安全を実現。IBMのIoTソリューション

その他、日本IBMブースでは、ヨーロッパで既にサービスインしている具体的なMaaSの事例や、自動車産業におけるブロックチェーンの活用方法、自動車産業の工場におけるAIやIoTの活用、車載ソフトウェアなどのアプリケーション開発のライフサイクル管理なども紹介しております。日本IBMブースの詳細は、http://ibm.biz/TMS2019 でご確認ください。

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Takumi Kurosawa

なんちゃってブロガー兼カメラマンな勤め人。業務用ソーシャルメディアの元「中の人」。(Mediumでの執筆内容は私自身の見解であり、執筆時点で所属していた企業の立場、戦略、意見を代表するものではありません)