“OpenPandemics — COVID-19”に参加して、新型コロナウイルス感染症の研究に貢献しませんか?

Takumi Kurosawa
9 min readMay 17, 2020

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の研究に、スーパーコンピューターが使われていることを、報道で目にした方は多いと思います。スーパーコンピューターというと産学官の管轄となりますが、私達一般人もCOVID-19の研究に貢献する方法があります。それは、分散コンピューティングやグリッド・コンピューティングと呼ばれる仕組みを用いた研究プロジェクトへの参加です。このような研究プロジェクトの代表的なものの1つが、世界の上位500システムのスーパーコンピューターの合計を超えた演算能力に達したことが話題になった「Folding@home」です。

実は、私達は、パソコンが持つ能力の全てを常時使い切っているわけではありません。もちろん、高解像度の映像や画像を駆使する仕様のアプリケーションやゲームの使用中はパソコンが持つ能力の大半を使っているでしょう。一方、Webの閲覧、動画の視聴、ワープロや表計算といったアプリケーションの使用、といった利用状況の際は、使われていないパソコンの能力があります。まさに、その「使われていないパソコンの能力」を提供することで、一般人である私達もCOVID-19の研究に貢献できるのです。

自分のパソコンでの「仕事」の進捗状況をグラフィック表示できる

当記事で紹介する「OpenPandemics — COVID-19」は、5月15日から新たに開始されたCOVID-19の研究プロジェクトです。「OpenPandemics — COVID-19」が利用しているのは、2004年から開始しているWorld Community Gridという名称のグリッド・コンピューティング環境。World Community Gridは、千葉大学や京都大学が参加している小児がん治療薬の探索プロジェクト「Smash Childhood Cancer」でも活用されていますので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。

「OpenPandemics — COVID-19」への参加と、World Community Gridソフトウェアのインストール

以下のURLにアクセスしましょう。https://www.worldcommunitygrid.org/research/opn1/overview.do
そして、上の画像で白く囲んだ「Contribute to this project」と書かれているボタンをクリックしてください。

登録画面になります。World Community Gridのログインに使うメールアドレスを記入し、ログイン用パスワードを決めてください。そして、「Accept end user license agreement」の先頭にチェックをしたら、「Next」をクリックしましょう。

次画面では、先頭にある「OpenPandemics — COVID-19」がチェック済みであることを確認してください。

もし、チェックされていなかったら、ご自身でチェックをしてください。そして、「Next」をクリックします。

次画面では、World Community Gridのソフトウェアのダウンロードが始まります。今回はMacにインストールをするため、Mac OS用のファイルがダウンロードされます。

ダウンロードが完了したら、インストールを開始しましょう。画面中の4つの画像をクリックすると、インストーラーの起動方法やインストール方法などの説明が表示されます。

*ここからのWord Community Gridインストーラーの画面は、Mac OS用となります。Windows用Word Community Gridインストーラーの画面は、当記事の最後で紹介します。

Mac OS用World Community Gridインストーラーの最初の画面。右下にある「続ける」をクリックしましょう。

二番目の画面。リリースノートを確認(または、印刷や保存)したら、「続ける」をクリックしましょう。

三番目の画面。ソフトウェア使用許諾契約を確認(または、印刷や保存)したら、「続ける」をクリックしましょう。

そうしますと、ソフトウェア使用許諾契約への「同意」を求めるポップアップが起動するので、「同意する」をクリックしましょう。

四番目の画面。ソフトウェアをインストールするディスクの選択を求められます。複数のハードディスク(もしくはSSD)を内蔵しているパソコンの場合は、インストールするディスクを選択してください。選択を終えたら、「続ける」をクリックしましょう。

五番目の画面。インストールの種類の確認画面です。特に問題がなければ、右下にある「インストール」をクリックしましょう。

インストールが開始されます。「インストールが完了しました」と表示されたら、右下の「閉じる」をクリックしましょう。

World Community Gridソフトウェアの起動と「OpenPandemics — COVID-19」のための「仕事」の開始

World Community Gridのソフトウェアを確認すると、サーバーから「仕事」のダウンロードが始まっていました。

「仕事」が始まりました。推定として表示される「残り時間」は、パソコンの使用状況によって変化します。そして、進行状況を気にする必要は一切ありません。普段どおりにパソコンを使っていただき、使い終わったら委細構わずパソコンの電源を切ってください。もちろん、パソコンの性能を大量に必要とするアプリケーションを使う際に、能動的に「一時停止」を押していただいても構いませんが、基本的にソフトウェア側がパソコンの使用状況から「仕事」を進めるか止めるかを判断します。

ノートパソコンが、バッテリー駆動になった途端、画像のように「仕事」を一時停止してくれるのでご安心ください。

メールが届いているはずなので、「確認」処理をお忘れなく

ソフトウェアのインストールをしている最中に、「Please verify your email address」というタイトルのメールが、World Community Gridのログインに使うメールアドレス宛に届いているはずです。

画像のような本文のメールが届いているはずなので、「Verify Email Address」と書かれている赤いボタンをクリックしましょう。クリックすると、Webブラウザーが起動します。

起動したWebブラウザーでは、Email Verification. Thank you for verifying your email address. というメッセージが表示されているはずです。

おまけ

現在の私のパソコンにおける「仕事」の状況はどうなっているかを確認してみました。

中頃にある「タスク完了」に「4」と書かれているので、4つの「仕事」を終えたようです。

ちなみに、4つ目の「仕事」が終わった瞬間を、画面キャプチャーしました。だから、どう、という感じですが、COVID-19の研究に貢献できていることを確認してみたかったのです。

皆さんも、良かったら、当記事を参考にして、新型コロナウイルス感染症の研究に貢献する“OpenPandemics — COVID-19”に参加しませんか?

追記:Windows用Word Community Gridインストーラーの画面

これは、Windows用World Community Gridインストーラーの起動を開始した状態です。

InstallShield Wizardは英語でした。下部にある「Next >」をクリックしましょう。

使用許諾契約への同意が求められます。「I accept the terms in the license agreement」を選択して、「Next >」をクリックしましょう。

World Community Gridソフトウェアのインストール先を変更する必要がない場合は、「Next >」をクリックしましょう。

インストールの準備が整ったとのことなので、「Install」をクリックしましょう。

インストール中の様子は、一般的なWindows用ソフトウェアと同じです。

World Community Gridソフトウェアがインストールされました。

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Takumi Kurosawa

なんちゃってブロガー兼カメラマンな勤め人。業務用ソーシャルメディアの元「中の人」。(Mediumでの執筆内容は私自身の見解であり、執筆時点で所属していた企業の立場、戦略、意見を代表するものではありません)