想定外のインプレッション数を獲得した「最終出社日」投稿

--

私事ではありますが、2024年5月31日をもって、新卒入社で30年以上勤務した会社を早期退職しました。

企業SNSアカウントの運用を担当するなど、SNSを活用してきた身なので、「最終出社日」の投稿は数年前から意識していました。それは、決してバズりたいということではなく、一般的なパターンと少しだけ違うことをしたい、という程度でした。

「~でした。」ではなく「~です。」

多く見る「最終出社日」投稿の時刻は退勤後であり、「~最終出社日でした。」という文章である場合が多いと思います。

事前に退職について連絡できなかった人が多かったこともあり、私は朝に投稿することを選びました。朝であれば、投稿に気づいた知人が連絡をしてくれて、最後の交流が可能と考えたからです。

そこで、字数の制約を気にしなくて済むLinkedinとFacebookは、「~最終出社日です。」という文章にしました。一般ユーザーのままのX(Twitter)は字数の制約があるため、「~最終出社日。」と入力しました。

実際の投稿時刻は午前9時の数分前で、仕事開始前にSNSを見る方が多い時間帯でした。

でも、このことは、想定外のインプレッション数を獲得した要因とは言えないでしょう。

写真の選択

「最終出社日」投稿では、社屋や社員証であったり、企業のロゴがある場所での自撮りや、同僚との写真が添付されることが多いと思います。

私が勤めていた会社で、私が所属していた部門が入居しているビルの場合は、建物の前に設置されている「企業ロゴがある立方体サイン」が「最終出社日」投稿に添付される写真の代表格です。(まもなく撤去されるようですが)

常々、「少しだけ違うことをしたい」と考えていた私は、2年前に全く異なる写真を撮影していました。

私の「最終出社日」投稿に、「企業ロゴ」が「遠くなる」という意図をこめて、この写真を添付するつもりだったわけです。

ただ、2024年2月に、ビルの最上部に設置されていた企業ロゴが撤去されてしまったため、残念ながら、この写真は使えなくなりました。

ビジネス・カジュアルが普及しているからこそ、という思いつき

どうしたものか、と考えた結果、社章を撮影することを思いつきました。

ビジネス・カジュアルが普及した結果、スーツで出勤しない人の割合が一定数であること。そして、着用が義務付けられていない場合は、そもそも社章を紛失してしまっている場合すらあるでしょう。

そこで、以下の写真を撮影したのですが、この写真を添付して投稿していたら、きっと、想定可能なレベルのインプレッション数だったでしょう。

先輩社員から託された”Eye Bee M”ロゴの社章とのセット

ポール・ランド氏がデザインした”Eye Bee M”ロゴは、某社のTシャツとしても登場したことがあるので、一定の認知度があります。

実は、私は、かつて、退職された先輩社員から、”Eye Bee M”ロゴの社章を託されており、大事に使っていました。

そこで、2つの社章を並べて撮影した写真を、私の「最終出社日」投稿に添付することに決めたのです。

確認したところ、X(Twitter)では、30以上のアカウントが、私の「最終出社日」投稿をブックマークしています。

本来の社章だけでなく、ポール・ランド氏がデザインした”Eye Bee M”ロゴの社章をセットにしたことで、きっと、「へぇ」と思っていただけたのでしょう。そうでなくては、インフルエンサーでもなんでもない私の投稿が、Xで5万以上、Linkedinで4万5千以上のインプレッション数を獲得できるはずはありません。

投稿に添付する写真の選択が及ぼす影響の大きさを再確認した出来事でした。

(追記)ポール・ランド氏がデザインした”Eye Bee M”ロゴの社章は、僕も誰かに託そうと思いました。ただ、ビジネス・カジュアルでの出社が普及した現在、この社章を託せる方はいませんでした。

--

--

Takumi Kurosawa

なんちゃってブロガー兼カメラマンな勤め人。業務用ソーシャルメディアの元「中の人」。(Mediumでの執筆内容は私自身の見解であり、執筆時点で所属していた企業の立場、戦略、意見を代表するものではありません)